■良いFC
公正取引委員会によるフランチャイズシステムのガイドラインには、フランチャイザー(本部)がフランチャイジー(加盟店)を募集するためには、次の要領を遵守しなければならないと記載されています。
(1)フランチャイズ本部は、事業拡大のための広告、訪問などで加盟者を募り、これに応じて将来から同種の事業を行っていたものに
限らず給与所得者など該当事業経験を有しないものを含め色々なものが有利な営業を求めて加盟しているが、募集に当たり、加
盟希望者の適正な判断に資するため、十分な情報が開示されていることが望ましい。
(2)現在、中小小売商業振興法により、特定の目的のため必要開示事項が定められており、また業界において、本部の登録・開示が
促進されているが、例えば、特に加盟後の紛議の原因となっている次のような事項について、開示が十分に実施されることが望ま
れる。
@ 加盟後の商品などの供給条件、予想売上げ、予想収益に関する事項
A 加盟者に対する事業活動上の指導の内容、方法、回数、費用の負担に関する事項
B 加盟に際して徴収する金銭の性質、金額、その返還の有無及び返還の条件
C 加盟後、加盟店が本部に定期的に支払うべき金銭の額、徴収の時期、徴収の方法
D 事業活動上の損失に対する補償の有無
E 契約の期間並びに契約の更新後及び解除に関する事項
上記のうち、特に@については、加盟後の実績と完全に一致する必要はないが、類似した環境にある既存店舗の実績根拠ある事実に基づいた物である必要がある。
(2)の@からEに記載されている事項を概ね示しているものを法定開示書面と言い、フランチャイズ契約締結前に必ず加盟希望者に提出することが義務付けられております。
法定開示書面を熟読すれば、ある程度のレベルでチェーン概要(良否)を把握することができるのです。
つまり、加盟契約を検討する上で、「良いFC」として理解し判断すべき最低要件は、
@ 法定開示書面が完全に且つ正確に整備されている事
A 法定開示書面通りのチェーン運営がなされている事
B その為の仕組み(組織と教育)がきちんと確立されている
という事になるでしょう。
■悪いFC
「悪いFC」チェーン本部は、「良いFC」チェーン本部の裏返しです。
つまり、加盟契約締結前の法定開示書面の説明が不十分であり(説明すらないチェーンもあるかも知れません)、また、業績など数字の開示が十分になされないFCチェーンは要注意といえるでしょう。
■法定開示書面をチェックする中で特に注意すべき点
1.フランチャイズ事業の種類と事業規模
フランチャイザーの事業規模や、事業の内容等をよく把握しておきましょう。また、過去3ヵ年の財務状況を分析し、成長性、収益
性と安全性を把握する事も必要です。
2.直近のチェーン店舗数推移
店舗数の増減は、そのFCチェーンの状態を判断するためのバロメーターでもあります。成長過程にあるチェーンは殆どの場合、
店舗数が伸びているものです。成熟した産業以外での(例えばコンビニエンスストアなど)店舗数の減少や停滞は、どこかに問題
があると考えても過言ではありません。従って、総店舗数や閉店数の把握は、フランチャイザーの経営力や将来性等を判断する
ための材料となります。
また、急成長の後突然店舗数の増加が停滞した場合も要注意です。この場合は、概ねFCザー(本部)内部に問題があるといえる のです。
3.直近年度のフランチャイズ契約に関する訴訟の件数
今般、フランチャイザーとジー間での訴訟が増加傾向にあり、その内容は多岐にわたりますので必ず確認すべきです。
4.営業テリトリー権
営業テリトリー権が認められているのか?認められていない場合、近隣地区の出店計画はどうなっているのかを確認します。
5.契約後の競業禁止や守秘義務契約の有無
大部分の加盟契約においては、加盟契約終了後における長期間にわたる協業の禁止事項が記載されています。
契約終了後の競業禁止や、秘密保持義務などの制限事項をきちんと確認する必要があるでしょう。
6.ロイヤルティの算出基準と計算根拠
これは困難を極めるかも知れません。つまり、ロイヤルティ算出根拠となる計算方式は一般人には難解なものが多く、説明を受け
理解したと認識したとしても、十分でないことが多いからです。最近では、コンビニエンスストアにおける廃棄にかかるロイヤル
ティ計算方法について様々な議論が持ち上がり、多くのチェーンにおいて訴訟にまで持ちこまれているのです。
ロイヤルティについては、「分かったつもり」で終わるのではなく、十二分に計算方法や計算根拠を理解しておくことが重要です。
ロイヤルティの計算方法(算出の根拠)には、次のようなものがあります。
・売上高を基準にした計算
・粗利益高を基準にした計算
・席数や売り場面積などを基準にした計算
・月額固定制
・ロイヤルティなしと謳う場合(ロイヤルティがゼロのフランチャイズシステムはありえませんが・・・)
・その他(未知の算出方法)
7.フランチャイジーに対する金銭の貸付、貸付の斡旋に関わる利率や算定方法
商品代金の決済などでオープンアカウントが採用されているチェーン(コンビニエンスストアは殆どのチェーンが採用しています)
では、FCザーとの会計処理(オープンアカウント勘定)の仕組みについて、納得するまで説明を受ける必要があるでしょう。
尚、オープンアカウントの仕組みを十分に理解するには、ある程度の会計知識が必要である事を認識して下さい。
8.契約に違反した場合に生じる金銭の支払い、その他義務の内容
チェーンによっては法外な??違約金を徴収する旨が契約書に記載されている場合があります。契約違反を犯した場合に、どの
ようなペナルティが課されるのか事前に確認しておきましょう。
9.本部からの経営指導と援助に関する事項
フランチャイジー(加盟店)として、フランチャイズチェーン経営を成す為に最も重要な部分です。
(1)SVの訪問頻度 (2)指導の内容 (3)本部からの援助の質 (4)本部から提示される帳票類 (5)その他
その指導内容が、ロイヤルティを支払うに十分な対価に等しい内容かを確認しなければなりません。
また、加盟契約後に加盟契約者に対する研修が課せられることが普通ですが、その研修カリキュラムは勿論のこと、研修に要
する費用内訳についても必ず確認してください。
10.契約の期間並びに契約の更新及び解除に関する事項
加盟契約を中途解約する場合に、どのような場合にどの位の解約違約金を支払う事となるのか確認しておきましょう。解約に伴う
解約金の計算方法も、ロイヤルティー算出の計算方法同様かなり難解な場合がありますので、十分に注意して下さい。
■良いFCと悪いFCを見分ける法
冒頭にもあるとおり、法定開示書面は最低条件ですが、これだけで良いFCか悪いFCかを判断することはできません。
良いFCと悪いFCを見分けるには、現場を何度も観ることが最も重要であるといえるでしょう。
@ 現場(店)へは、最低50か所(又は50回以上)以上足を運ぶこと(10〜20ヵ所程度では分かりません)
A 現場では、「良いFCと悪いFCのキーワード」に記載した項目をを重点的に確認
B フランチャイジー(加盟店)オーナーからのヒヤリングを行うこと(本部の対応、オーナー自身の展望や不満等)
私はFCジー(加盟店オーナー)として店を経営していました。(そのチェーンは、今は存在しておりませんが・・・)
加盟契約締結の時点(説明会)では、「最低週一度の訪店(臨店)があり、店舗運営上の指導がある」との説明を受けましたが、実際には一月に一度、ひどい時には数カ月に一度という訪店頻度で、更には、店舗での滞在時間は一時間程度、おまけに殆ど指導らしい指導はなく、本当にこれが本部のSVによる指導なのか?と大きな疑問を感じ、本部責任者に対し苦情を申し立てた事がありました。
数カ月経過してもそれに対し何ら具体的な回答はなく、それからは本部の指導をあてにしなっくなった事は言うまでもありません。
財務諸表での数字の確認や、ネットでの評判を検索することも大切ですが、チェーンの良し悪しは「現場」がすべてを語っています。
数字や評判では分からない、現場の真の姿を自分の目で数多く見、実際に加盟契約者に確認をするということが、良いFCと悪いFCを見分ける為には最も大切な方法と言えます。
■良いFCと悪いFCのキーワード
それは「徹底力」でしょう。
「徹底力」には様々なポイントがありますが、良いFCチェーンは全てにおいて「徹底力」が違います。
「徹底力」を確認するためには、複数店舗における次の状態をチェックしてみることをお勧めします。
@ 販売促進物の状態
A 催事の展開状況
B 働いている従業員の質
C 清掃状況(クリンリネスと言います)
D 商品の鮮度や欠品の状況
人間同様完璧なFCチェーンなどというものは存在しません。しかし、「徹底力があるFCチェーンは良いFCである」といっても過言ではないでしょう。 上記チェックポイントを確認してみると、良いFCは「何かが違う」と思えるはずです。
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